副委員鳥の巣箱02

副委員鳥になって、白い服が増えた。増やした。

いつでも鳩になれるように…というのは言い過ぎで、他の色も着ているが、「白は私の色」という意識が芽生えた。

委員鳥は黒の服が増えたかというと、「そうでもない」らしい。委員鳥のそういうところが好き。

もとから洋服などを選ぶなら黒よりは白派だったので、カラスよりは鳩がしっくりきている。

ただ、私たちの鳩とカラスの「担当分け」は誰かに割り振られた訳でも、相談して決めた訳でもない。

「応援団烏」のみずのっちさんが(まだその頃は応援団烏ではなかったのだけども)、ある年のハロウィンの後、「鳥すきなんやろ?笑」と、委員鳥に(まだその頃は委員鳥では以下同文)カラスのかぶりものを渡していた。

まあつまりは、ハロウィンで使って不要になったかぶりものを、お下がりとして委員鳥にあげていた。本当に使ってほしいというよりはおそらく、ネタとして、冗談で。

それを見てピンときてしまうものがあった私が、

「わたし、ハトを買って副委員鳥をやるので、委員鳥をやってください!!白と、黒で、『委員鳥と副委員鳥』って事で、何かやりましょうよ!!」

と突然に言い出したのがきっかけだ。

そうなると私が担当を振り分けた、という事になるのかもしれないけれど、「ピンときた」時の私は何かに突き動かされているような感じで、カラスと鳩のイメージが降りてきたからには「コレはやらなければいけない!!!」となっており、天命を受けたというか、とにかく、もはや自分で決めたという感覚ではなくなっている。

その時に委員鳥が何と返答したのかも、なんせ天からの使命を受けて興奮していたであろう私には記憶にもないが、たぶん委員鳥は「えー笑」と笑って、でも「ヤダ」とは言わなかったんだと思う。そのまま話が進んでいって、今がある。

脊髄で生きてる私の、それでも自分なりのルールとして、本当に嫌がっていそうな人を無理に巻き込むことはしない、というのがあるが(見込み違いで巻き込んでいるときも大いにあるとは思うけど)、私の近くに居続けてくれる人はおおむね、私の脊髄反射を面白がってくれる人が多い。

よく「何で、鳩だったんですか?」と聞かれるが、その質問には「相方がカラスだったから」と答えている。

けれど、委員鳥は私の相方として立候補してもいないし、誘ってもいない。私が勝手に決めてしまった。

そのまま何年も、本当によく付き合ってくれていると思う。いつも、驚き、時には困りつつも、つい「いやちょっと面白いやん」と思ってなかなかやめられないのだと思う。

白い服が増えて困るのは、食べこぼしだ。

いい大人になって恥ずかしいことだけれど、私は自分でも驚くほどによく食べこぼす。

食べこぼしに気づいている時はまだよくて、誰かに指摘されて初めて気づくことも多い。人として毎日を過ごすための何かが色々と欠落しているのだろうなと思う。

でも、汚れたら漂白してしまえばいいのが白の良さだ。

食べこぼしがひどい上にトマトソースパスタが大好きな私は、白い服を何度漂白したかわからない。

そして、これからも何度もソースを飛ばすんだろうなと思って、やりきれないような、面白いような気持ちになる。

いちいち反省や落ち込みやをしていてはやっていられないので、「面白がる」しか、もう、方法がなくなってしまった。

面白い、の中に「白」が入っていることに、最近気づいた。やっぱり白は私の色。

間違えた時、失敗した時、どれでもなんでもワイドハイターに漬け込んで、消えて、元に戻って、

あー面白かった。って、笑えたらいいのに。